柔道整復術は、近代医学の発展の成果とともに、わが国古来の武道とくに柔術のうえにたった江戸時代の接骨の輝かしい伝統が基礎となっていることが特徴です。このことは、「武道」の伝統と精神とともに、柔道整復術の大きなバックボーンであると認識されています。
■伝統の柔術、東洋医学の技法を多く取り入れた接骨術を施す柔道整復師の手技は、柔術、柔道の技、構えなどの体技に影響されることが多く、このように、古来からの伝統が柔道、柔術の持ち味を十分に生かし、発展してきました。
■武道としての柔術、柔道は、日本人の伝統的精神要素の一つとして存在し、武道精神の「道」「禅」「行」は今後も社会において必要要素であると考えられます。
■柔道整復術の特異性は柔術の基本である「活法」を基本として、これに東洋医学、近代西洋医学が加わり、当身技、投技、関節技などの技を練習する中で身体の取り扱い、武道的心構えに習熟し、併せて、均衡を失った人体の治療を行い、早期社会復帰を図ることにみることができます。
南江堂 柔道整復理論より